国際法務担当者の筋トレ

三度のメシよりネゴが好き(ネコではない)。某社法務担当が日々気になるトピックを少しだけ深掘りします。

数学的にありえない。

文春の書評でみて、読みたいと思っていたのがうちに転がっていたので、つい読んでしまいました。 伏線につぐ伏線、マイケル・クライトンばりのノンストップ・サスペンス!だそうですが、上手い手品を見せられたときのような気持ちのいい騙されかたではなく、どろくさいというか、必要な情報を読者に与えてないから読者は誘導されるだけ、という感じ。そういう意味で24っぽい。 そういや、描写が視覚的だし、ドラマ映えしそうです。作者紹介のところによると、作者は子供の朗読テープを濫読していたそうなので、文章が映像的なのは納得できます。 特に上巻のほうは、まだ登場人物たちがバラバラに行動していて、それぞれのキャラの行動がかわるがわる分断されて説明されていくので、無数に枝分かれしていた過去の出来事が一つに束ねられて現在、未来に繋がっていくという話の進め方は、主人公の能力と重ね合わせた演出なのかなぁと思ったのですが、うがちすぎですか。そうですか。 ハイデルベルグの不確定原理を持ち出して、主人公の能力に説得力を持たせようとしてますが、やっぱりトンデモ科学な感じがして萎えます。まぁ、私はミステリー・サスペンスもので、非現実的な要素が入ってきてしまうのは好みではないんです。例えばコレとか。 読みやすいし、特にお話が展開されていく上巻は楽しめたのでまぁよしとします。 ★三つ。