国際法務担当者の筋トレ

三度のメシよりネゴが好き(ネコではない)。某社法務担当が日々気になるトピックを少しだけ深掘りします。

NYBARについて考える~MBEの勉強方法編

 

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NYBARの試験は2日間です。

1日目は、NYPartsとかNYDayとか呼ばれていて 午前中にNYEssay3問とNY択一50問 午後はEssay2問とMultistate Practice Test(MPT)1問。

2日目は、NYのみならず全米でMultistate Bar Exam(MBE)。 MBEでは、6科目(刑法と刑訴を分けると7科目)をアトランダムに100問ずつ 午前と午後で、合わせて200題解きます。 7割が受かる試験(合格基準点は設定されていますが) 基本的には全ての科目で平均点が取れれば合格です。

とりあえずMBEビール

 

まず最初に手を付けるべきは、なんといってもMBEです。 英語にハンデを考えるともっとも安全かつ確実な得点手段だし MBEが解けるようになると、その科目のNYEssayもそこそこ書けるようになっているからです。

残りはNYPartsの科目について、Essayが書ければだいたいよいので MBEが形になってくると、手探り感がなくなってきます。 その頃になると、どのくらい時間をかければその科目が終わるのかわかるようになるので あとどのくらいやればいいのか、見込みがたつようになると思います。

MBEが形になってくる=MBEを50問解いてみて正答率6割くらいかと思います。

 

これは、本番の平均点が大体6割くらいであることと よく聞かれるルールをむらなく覚えた段階での正答率がこのくらいじゃないかと思うからです。 Barbriの授業をこなしつつ、あるいはそれと同時進行で ノートを読んだりアサイメントをこなしたりしつつ、正答率6割に到達する・・・ これは、全受験生が到達すべきポイントなので、早いにこしたことありません。

目標はBarbriのMBE模試のあたりにそこまでいければ かなりいい感じだと思います。

 

Barbriの講義がビデオロケーションだと1週間遅れなので難しいんですが。 このチェックポイントを通過した段階で MBEでさらなる高みを目指すのか なにかと不安なEssayに重点を置くのか 自分の性格や英語力と相談して、考えればよいと思います。

 

さて、MBEの勉強といって、どのような勉強をすればよいのか。

 

答え。

ノートを読む→問題を解く→答え合わせをする→ノートを読む…の永久ループ

時間はきちんと計って解くこと。 3時間100問、1時間34問、18分で10問、9分で5問 少ない時間でも時間は死守するようにして 身体で覚えこんでしまったほうがよいです。 時間管理については、SGウォッチというフリーソフトを利用していました。

去年、手元にあるMBEの問題を数えたんですが Barbriが提供する本とPMBRの赤本青本合わせて 4700題くらいあったように記憶しています。 これだけで1410時間分!

繰り返して解くよりは、新しい問題を解きましょう

 

繰り返して解く価値があるとすれば、Barbriの問題集のIntermediateの問題。 私は、模試も含めて、Barbriの問題にせよ、PMBRの問題にせよ 本番の問題とはズレがあった印象をもっています。 一番近いのがBarbriのIntermediateとPMBRの模試の中の良問かなぁ、と。 (MBEの問題はリタイアしない限り公表されません。 毎年、BarbriやPMBRの人間が、別の州の試験を受ける! といって本試験を受けてるらしんですが、 まぁ人間が覚えることなので限界があるみたい。)

日本の択一式試験との大きな違いは、MBEは全部事例問題だってことです。 民法の事例式問題みたいなやつが、100題並んでいると思ってください。 聞かれているのが、憲法であろーと証拠法であろーと事例なんです。 だから、ルールを覚えただけではまだ半分で 問題を解いて、アプリケーション(法の適用)の練習をしなければならんのです。 (極端な例でいうと、177条だけ教えられていて それを取消、時効、相続放棄などの事例に当てはめさせられる感じ)

ひたすら数をこなすしかありません。 どれくらい解けばアプリケーションまでできるようになるかは 法律センスの問題なので、人によって違うと思います。

PMBRの問題集は、総じてどのルールについて聞かれているのか見えやすいです。 実際の試験は、赤本の問題ほどわかりやすくない。 ルールが見えにくいといった面で近いかな、と思うのがBarbriのIntermediateの問題です。 あれを大事に解いておけばな…と今思います。 あと、本番では、ルールは知っているのに「そっちから攻めてきたか!」 というような問題があったのですが そういう光るぴかぴか(新しい)問題はPMBRの模試にありました。

赤本は勉強初期、ルールを覚えている段階に利用するのがよいように思います。

 

青本のほうは、なんか古臭い感じ(事実とかが)がするのですが、お好みで。 BarbriのAdvancedの問題とPMBRの模試の問題多くは 「細けぇよ!」「複雑すぎだよ!」という感じ。 (二重譲渡で、9人くらい出てくる一大スペクタクルをみたことがあります。)

私がもう一つ反省している点は、直前一週間にMBEを解かなかったこと。

本番では、アプリケーションの感覚が鈍っているように感じました。 直前期は、毎日MBEに触れておくほうがよいと思います。 思ったより長くなっちった。 NYEssayなどについては 以下次号。