MPREを考える。
MPREとは、アメリカの司法試験の一部で、択一式の全州統一法曹倫理試験です。
スコアは50から150の間で、試験の点数よいうよりは、偏差値のようなものです。
平均が100になるように設計されているのですが、その回の試験の難しさによって、その回の実際の平均点は変動します。私の持ち点の115というのは、これまで試験を受けてきた全ての人の中で、偏差値115なのだと理解しています。日本の偏差値でいうと55くらいなのでしょうか。
バリバリのアメリカ人を含めた中で偏差値55ならば上出来なのではないでしょうか。
州によって、合格点は違います。NY州は一番高くて85。ハイ、たったの85です。
でも、勉強しないと誰でも落ちるけど、誰でもやれば受かるというように、うまいことできているような気がしています。
受かる前に書いておくと格好良かったんですけど、試験を受けて気がついたことがあります。
試験を受ける上でのコツです。
実は私、混乱して、二時間のテストを一時間半で解かなければならない試験中に思い込んでしまいました。混乱した原因は、突然始められたので開始時間がよくわからなくなったのと、斜め前のアメリカ人が開始後一時間で3分の2以上終わっていたのが見えたためです。
残り20分くらいであと20題近く解かなければならないと思い込んだ私は、とにかく終わらせようと、選択肢の部分だけ読んでマークをしていきました。
ほぼ全ての選択肢はイエスまたはノーとその理由で構成されています。
ある程度勉強しておくと、どの論点の話なのか一瞥して選択肢を読むと、この理由はこの論点の理由付けにはならないから×と判断できるようになるんですね。
問題文を全く読まなくても、回答できてしまうわけです。恐ろしいことに。
この方式で20題解いた後、当然時間が余ったので、ちゃんと問題文を読んでから見直していったんですが、回答をかえたのは、2つか3つしかありませんでした。自分でもびっくりしました。
そのまま提出して、無事合格したわけです。しかも平均以上で。
予備校によると、合格するには32問から38問正解すればいいらしいので、すると私はおそらく45題くらい正解したのではないかと思われます。前半の出来がとりたててよかった実感はないので、いいかげんにやった部分のみに誤答が集中しているとは思えません。
と、いうわけで教訓。
MPREは選択肢から読め。
たいていの日本人は時間が足らないらしいんですが、これは問題文読んで選択肢読んで問題文に戻っているからではないかと。選択肢から先に読めばくりかえしはさけられそうだし、選択肢だけ読んでも答えられるのだから。
わりとまじめに勉強して「これで落ちたらどうやって勉強したらいいかわからないなー」というのが、試験当日の心境でした。無事に受かって本当によかったです。
もしかして
これで落ちたらどうやって勉強したらいいかわからない
これが試験の極意か!?